小学生が身に付けるべき情報共有の方法・協働的な学習活動とは?


小学校学習指導要領(文部科学省)によると、小学生で学ぶべきパソコンの基本操作は合計8つあります。
情報共有と協働的な学習活動についてはその7番めに記載されています(小学校でのパソコン、プログラミング・身に付けるべきスキルとは?)。


【小学生で学ぶべきパソコンの基本操作】
1) 学習活動を円滑に進めるために必要な程度の速さでのキーボードなどによる文字の入力(=タイピング)
2) 電子ファイルの保存・整理
3) インターネット上の情報の閲覧
4) 電子的な情報の送受信や共有など(=メールの基本操作)
5) 文章を編集したり図表を作成したりする学習活動
6) 様々な方法で情報を収集して調べたり比較したりする学習活動
7) 情報手段を使った情報の共有や協働的な学習活動
8) 情報手段を適切に活用して調べたものをまとめたり発表したりする学習活動


会社でも、プロジェクト達成のために、プロジェクトメンバーと情報共有を行いながら、協働的に(複数の人々が力を合わせて)仕事を行うことはよくあります。小学生にとっての情報共有や協働的な活動とは、具体的にどのようなことを学べばよいのでしょうか?


こちらでは、小学生の情報共有や協働的な学習活動についてまとめています。



小学生にとっての情報共有や協働的な学習活動とは?


ビジネスには不可欠な情報共有や協働的な活動ですが、小学生としては、どのような活動を想定すればよいのでしょうか?


まず、文部科学省の「教育の情報化に関する手引」(文部科学省)を参考に調べました。


「教育の情報化に関する手引」は、今回の学習指導要領の改訂に対応して作成された、先生や学校など指導者側がみる手引きです。情報教育の目標となる「情報活用能力」とは具体的にどのような能力であるのか、またそれらの能力を子供たちに身に付けさせるために何をすればよいのかについて解説されています。こちらの資料では、児童生徒の発達段階をイメージして5 つの段階で示されていました。


小学生では、ステップ3まで。

ステップ 1 (小学校低学年):相手に伝わるようなプレゼンテーションの方法
ステップ 2 (小学校中学年):相手や目的を意識したプレゼンテーションの方法
ステップ 3 (小学校高学年):聞き手とのやり取りを含む効果的なプレゼンテーションの方法



ちなみに、小学校卒業以後は、
ステップ 4 (中学校修了段階):Webページ、SNS等による発信・交流の方法
ステップ 5 (高等学校修了段階):Webページ、SNS、ライブ配信等による発信・交流の方法



一方、「教育の情報化に関する手引」作成検討会の会議資料によると、
3年生では、“クラス内の掲示板やチャットで交流の体験ができる”
4年生では、“掲示板やチャット、メールを使って他校と交流できる”
5年生では、” 調べたことを互いにWEBページにまとめて交流できる”
6年生では、” テレビ会議システムやテレビ電話を使って交流できる”
とされています。


手引きの作成検討段階では、”交流する”ということに重きがあり、「教育の情報化に関する手引」で最終的な指針を示す段階においては、”プレゼンテーション”に重きをおくように変更されているようです。そこで、再度「教育の情報化に関する手引」を確認することにしました。


下記は、「教育の情報化に関する手引き」第2章 情報活用能力の育成の抜粋です。

【「情報活用能力」は、世の中の様々な事象を情報とその結び付きとして捉え、情報及び情報技術を適切かつ効果的に活用して、問題を発見・解決したり自分の考えを形成したりしていくために必要な資質・能力である。より具体的に捉えれば、学習活動において必要に応じてコンピュータ等の情報手段を適切に用いて情報を得たり、情報を整理・比較したり、得られた情報を分かりやすく発信・伝達したり、必要に応じて保存・共有したりといったことができる力であり……】



また、同資料p.26 の表 2-6 情報活用能力の体系表例でも、図表のスキルについては、”2 問題解決・探求における情報活用の方法の理解 ①情報収集、整理、分析、表現、発信の理解”に分類されています。


以上のことから、小学生にとっての情報共有や協働的な活動とは、”プレゼンテーション”であると言えそうです。まず、小学生で、身近な場所で(クラスメイトや先生など)と効果的な情報共有する方法(効果的なプレゼンテーションスキル)を学び、中学生・高校生でさらなるステップとして、離れたところにいる人たちへ発信・交流する方法を学んでゆくようです。


「教育の情報化に関する手引」作成検討会の会議資料に記載されている”交流”については、機会があれば体験しておくと今後の学習に役に立つかもしれませんね。





小学生・情報共有や協働的な学習活動の体験・楽しいZoom会議がおすすめ


情報共有や協働的な活動といえば、ビジネスには必須。普段、私たちが会社で行っている仕事に置き換えるとイメージしやすいですね。まず、部内のメンバーで情報交換を行ったり、他部所、他支部とも情報交換を行ったり。お互いが離れている場合、情報交換の手段としてはメールやチャット、テレビ会議などになります。

うちの子に聞いてみたところ、今のところ、学校でまだ他校と交流などを行っている様子はありません。もともと交流のある学校同士、姉妹校などではすでに行われているのでしょうか?どの程度の体験をさせるのかは、学校によるのかもしれませんね。 オンライン授業については何度か経験しています。


我が家でも、パソコンを二台準備して、チャット、オンライン会議をしてみました。どちらもZoomで体験できます。


宿題をしている途中で、テレワーク中のお父さんをチャットで呼び出したり、別室でお話したり、初めての体験でとっても新鮮だったみたいです。とても楽しんでくれました!


Zoomは、無料でダウンロードできます。使い方は、こちらのページ(【パソコン編】Zoomの基本的な使い方やPCでのミーティングの開催方法を紹介 | NECネッツエスアイ (nesic.co.jp))がとても親切でわかりやすかったです。



我が家では、離れて暮らすおじいちゃん、おばあちゃんとテレビ会議も定期的に行っています。


子供たちも、なんだか直接会う時よりも積極的におしゃべりしている気がします。最近あった出来事や書いている漫画など、写真やノートを画面越しに見せながら説明しています。次々と“資料”を持ってきて、熱心に話しているところをみると、子供なりに直接会う時よりも”プレゼン”を工夫しなくちゃ!と思っているようです。


おじいちゃんが画面越しに見せてくれたのは「孫の顔が見たい!はじめてのスマホでビデオ通話」という本。おじいちゃんも本を読みながら頑張ってくれているようです。



孫の顔が見たい!はじめてのスマホでビデオ通話


まとめ

日本はICT教育後進国と言われていましたが、現在は、GIGAスクール化によりICT教育改革が急速に進められています。私たちが小学校の頃と比較すると子供が学ぶべきことはずいぶんと変わってきているようですね。



プログラミング学習やタイピングのスキルアップなど様々な家庭学習について、下記のような記事を紹介しています。是非、ご覧ください。




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「教育の情報化に関する手引」(文部科学省)
「教育の情報化に関する手引」作成検討会の会議資料 (文部科学省)