できるプレゼン/スライド作成と本番で緊張しないスピーチ練習法【初心者向け】


実践的なプレゼンテーションは子供にとって貴重な経験です。大人の立場からすると、本番の発表が少しくらい失敗してもそれを糧にできればOK!と思ってしまうかもしれませんが、時と場合によっては、苦手意識に繋がってしまう恐れもありますので、最低限のサポートは必要でしょう。


こちらでは、プレゼンテーション本番を控えたお子さんと親御さんに向けて、スライドとスピーチのチェックポイントを紹介しています。実際に小学生の発表を見て気づいたことや、自身の実体験から学んだことを盛り込みながら、今日からできる実践法をまとめていますので、是非ご覧ください。


また、本番直前のおススメ練習法についても紹介しています。私が実際に行っていた方法なのですが、やるのとやらないのとで本番の出来栄えが雲泥の差になります。パフォ―マンスが下がるような緊張感が軽減し、全力でプレゼンに集中できるようになりますので、是非試してみてくださいね。



プレゼンテーション/スライド作りのコツとポイント

スライドは聞き手の負担が少なくなるよう「見やすさ」を重視して作ることが大切です。

以下では、小学生が取り上げそうなテーマを例に上げてスライドのチェックポイントをまとめています。まずクリアすべきステップ1と、次に目指してほしいステップ2に分けて紹介していますので、是非ご覧ください。




ステップ1:スライドはシンプルにしよう

パワーポイントのスライドはテンプレートとしておしゃれなスライドやスタイリッシュなスライドなどを選択することができます。最初は迷ってしまうかもしれませんが、最初から、派手なスライド作りに手を出すと失敗することが多いです。初心者のうちは、シンプルでオーソドックスなスライドを選択すると良いでしょう。


私が一番よく使い、よく見たスライドは、背景は白ベースに文字は黒ゴシック、フォントは英語ならArial、日本語ならMSゴシックかメイリオなどの無難なものでした。写真や絵も最低限で派手な装飾もありませんので、シンプルかつ「ザ・真面目」なスライドとなります。


派手なスライドを目にするとシンプルで大丈夫かなと心配になるかもしれませんが、全く心配することはありません。シンプル&オーソドックスなスライドは、初心者から上級者まで、どんなTPOにも幅広く通用します。さらに、作る側にはもちろん見る側にとっても、あまり「見た目」にごまかされず、中身に集中できるというメリットもあります。


アニメーションや切り替えなどの効果は、初心者のうちは基本使わなくても大丈夫です。


ステップ1:詰め込みすぎはNG!スライド一枚につき、言いたいことを一つに絞ろう!

初心者のスライドにありがちなのが詰め込みすぎです。特に、小学生の場合、どこかからのサイトから説明文をコピペしてそのままということがあるようです。下はスライドは文章の詰め込みすぎの例ですが、絵を詰め込みすぎる場合もあります。


スライド一枚に一つのメッセージが基本です。このように、文字を詰め込みすぎると、何が大切なポイントかわからなくなります。また、長い文章や小さな文字は厳禁です。写真は、そのメッセージにあったものだけに絞りましょう。


ステップ1:一目でわからないスライドはNG!細部まで注意して作成する

スライドは、できるだけ一目で理解できるように作成しましょう。
一見、シンプルなタイトルのスライドに見えますが、単語が途中で改行されており、タイトルが一目ではわかりにくくなっています。



改行を入れるなら、”〇〇動物園に 改行 行こう!”とするべきです。タイトルだけでなく、全てのスライドにおいて、単語の途中での改行はできるだけ避け、意味のかたまりを意識しましょう。細かいようですが、絵などと違って簡単にできる修正ですので、必ず確認しておきましょう。


小学生の間はそれほど厳しい評価を受けないかもしれまんが、ビジネスにおいては、簡単に直せるところを放置している=手抜きに見え、印象が悪くなることがあります。



上の画像は、動物園周辺の写真ですが、どこに動物園があるか見ただけではわかりません。小学生の場合、どこかのサイトから写真や絵をコピペしてそのままにしており、どこが大事なのか一目見ただけではわからないということがあります。スライドで使う写真や絵は、見せる意味があるもの、さらに一目でわかるものにしておきましょう


まずは、画像の選択は、適不適で決めるべきです。ただ使いたいからという理由で選んでいないか確認しましょう。写真は適切だけどわかりにくいと言う場合は、矢印をつけたり、拡大するなどの加工をして、一目でわかるように工夫しましょう。


ステップ1:デザイン&フォントを統一する フォントの色は最低限に! 


上野スライドは、文字のフォントや大きさがそろっていなかったり、色がたくさん使われていたりするので、とても見にくくなっています。デザインとフォントは同一スライドの中で統一するのが基本です。また、スライド内は統一されていても、スライド間で統一性がないということはよくあります。気をつけましょう。


文字はゴシック、フォントは英語ならArial、日本語ならMSゴシックかメイリオなどの無難なものがおすすめです。


小学生では、文字をカラフルにしてしまうことがよくありますが、文字の色は、基本二色。多くても三色にしぼりましょう。白背景なら、黒と赤が無難です。黄色など、わかりにくい色は避けましょう。


ステップ1:効果やアニメーションを使いすぎはNG



パワーポイントを使い始めた小学生が、アニメーション、画面切り替えや文字の表示などで派手な効果をたくさん使いすぎてしまったということがよくあります。確かに作っている方は楽しいのですが、派手な効果ばかりに目がいき、中身が頭に入りにくくなるので、使いすぎはやめましょう。



選択したテンプレートでデフォルトで設定されている場合は、簡単に除くことができます。「画面切り替え」タブから「画面切り替え」グループの「なし」を選択すると、画面切り替え効果全体を解除することができます。


まずは、”効果やアニメーションはなし”が基本です。よく検討し、最終的にあった方がと思われる場合に限って、追加していくことをおススメします。


ステップ2:スライドに強弱、メリハリをつけてわかりやすくしよう


シンプル&オーソドックスなスライドをスタートとし、そのままゴールしなくてはならないというわけではありません。ちょっとした工夫をプラスすればさらにわかりやすいスライドになります。ただし、なんとなくやってみたというのはやめましょう。プラスする要素には全てに意味がなければなりません。


初心者のうちは、はじめから凝ったスライドを作成するのではなく、まずシンプルに作成し、そのあと少しずつ手を加えていくとよいでしょう。



こちらは、シンプルに、○○動物園へ行く人へ向けての一般情報をまとめたスライドです。



もし、小学校のクラスメイトに向けてのプレゼンだったら、と仮定して、スライドに手を加えました。〇〇動物園が学校から近くて無料だということが目立つようになっています。注意事項のテキストも書き直し、写真も加えました。しかし、情報が増えた分、ちょっと煩雑にも感じます。



加工を加え、メリハリがでるようにしてみました。


加工していく過程のスライドは、全て保存しておくようにしましょう。手を加え過ぎたら、簡単に元に戻ることができますし、並べて見比べれば、どちらのスライドがいいか選びやすいと思います。見る人目線で検討してみてくださいね。


ステップ2:情報は、文章からではなく、視覚から伝えよう


スライドは作る側には時間がかかるものですが、見る方は一瞬ですので、「頭に入りやすい」プレゼンテーションにすることが大切です。



どんな優秀な人でも人の話を聞くのは、少なからず負担がかかるものです。一見子供っぽいと思われる工夫でも、スライドが視覚的に表現されていると、見る側にとっては理解しやすいことが多いです。 例えば、文章の代わりに絵や写真を入れたり、こちらの意図をマークや色で表現したりすると聞き手の負担を軽減できます。


私の場合も、良い点に◎や☻、悪い点に×や🚫などのマークを積極的に使っていましたし、信号機に見立て赤字プロジェクトはSTOP、緑字はGOと表現したりしていました。



楽しいテーマでプレゼンテーションする場合は、視覚的に「楽しさ」を表現してみるのもいいですね。背景も絶対黄色がいい!!と思ったら白こだわることもありません。カワイイイメージ写真を挿入するのもとてもよいと思いますし、”楽しいことがたくさんある”ということを表現したければ、写真をたくさんはりつけるというのも効果的です。


情報が煩雑になった場合は、表やグラフを積極的に使って整理すると成功することが多いです。また、印象づけたいスライドのみ派手な効果を入れる、複雑な仕組みはアニメーションで説明する、などの工夫をすると視覚的にわかりやすくなるでしょう。


ただし、繰り返しになりますが、基本はシンプル&オーソドックス。「見やすさ」を重視することが第一条件です。やりすぎには注意しましょう。加工していく過程のスライドは、全て保存し、並べて見比べれば、加工前後でどちらがいいか選びやすいと思います。見る人目線で検討してみてくださいね。


プレゼンテーション/失敗しないスピーチをするための秘訣とは?


プレゼンテーションのためには、どんな人にもわかりやすくスピーチすることが大切です。こちらでは、スピーチのチェックポイントをまとめています。



短い文章にまとめよう 難しい言葉は使わないで


話し言葉もスライドも、できるだけ簡単な言葉を選んで、短くまとめましょう。たくさんの人を前にプレゼンするときは、難しい言葉を使った方がいいのでは?公式な場所だから改まった言い方にした方がいいのでは?と考えている方も多いかもしれません。しかし、難解な言葉は聞き手には伝わりません。また、回りくどい言い方は、文章が長くなる上に、自信ないと受け取られることもあります。可能な限り言い切ってしまいましょう。


短くすることが大切かもしれません」 短くして言い切る→「短くすることが大切です」
簡単にすることができる」 短くする→「簡単にできる」
一目瞭然」 簡単にする→「一目でわかる」


特に、聞き手に小学生が含まれている場合、難しい言葉は厳禁です。スライドも難しい漢字が入っていないかチェックしておきましょう。


プレゼンテーションは時間通りに終わらせよう


プレゼンテーションには制限時間が決まっている場合がほとんどです。しっかり時間を守った方が、良い印象を与えます。できるだけ気をつけるようにしましょう。


例えば、5分と決められているなら、4分50秒前後で最後の「ありがとうございました」を言うのが理想的です。難しいかもしれませんが、事前練習を頑張ってできるだけ理想に近づけましょう。


ビジネスの現場でも時間にルーズな人がいますが、印象が悪いです。また、採用不採用、合否を決めるプレゼンでは、時間の使い方は減点の対象となることもあります。


書き言葉と話し言葉は違う、リハーサルでチェックしたら、原稿を修正して!


原稿は、最初から完璧なものを作成する必要はありません。私の経験上ですが、どんなに気を付けて原稿を作成しても、書いた文章というものは読みづらく、そのまま話すと話しにくいことが多いです。実際にリハーサルをしながら、スライドとの兼ね合いで調整したり、書き言葉を話し言葉に変更していきましょう。


うまく話せないのに、無理に原稿に合わせると失敗します。必ず、原稿の方を見直し、話しやすくなるよう修正しておきましょう


スライドを片手に自分で話しながら、原稿を作成していくという方法もあります。その場合でもリハーサルを行っていくうちにスピーチが変化していきますので、何度か原稿を修正するという作業は必要となってきます。自分にあった方法を選んでくださいね。


たったスライド1枚に手間取って30秒ロスした!!ということがよくあります。プレゼンテーションの持ち時間を守るためにも、何度かスピーチの練習を行い、原稿をよく練っておきましょう。


前を見て話そう 原稿は見ない


プレゼンテーションでは、原稿を見ることはできません。スライドを指し示す時は例外として、目線は聞き手に向けるのが基本です。ときどき下を向いて発表している小学生をみかけます。ビジネスの現場でもスライドばかり見ているという場合もあります。


最初は難しいかもしれませんが、慣れてくるとだんだんできるようになります。頑張って練習しておきましょう。


スライドとスピーチを連動させて、話しやすいように工夫しよう


プレゼンテーションでは、原稿を見ることができないため、本番で言うことを忘れてしまったらどうしようと心配になる方も多いかもしれません。話すこと全てをダラダラとスライドに書き並べることは厳禁ですが、スライドを頼りに話せるように工夫しておくと話しやすいと思います。またこのように工夫が、安心感に繋がり、本番の出来が抜群によくなりますので、是非試してみてください。



話し手が話しやすい方が聞く側にもわかりやすくなります。例えば、画像の1→2→3のように、スライドの上から下に沿って話せるようにしておくことも重要なポイントです。テキストも、できるだけ簡単な言葉を選んで、短くまとめておきましょう。大切なメッセージはをタイトル部分に書くというのも、わかりやすいのでおススメの方法です。



私の経験上、話し手がスライドを見ても言うべきことを思い出せない場合は、情報が足らないか、多すぎるかのどちらかの場合がほとんどです。


情報が足らない=説明不足ということです。説明を追加しておきましょう。追加によってスライドが煩雑になった場合は、追加効果を利用して、話しながら情報を増やしていくとわかりやすくなります。その他、✔デザインを工夫する ✔スライドを2枚にわける ✔表にする、などの工夫をするとうまくいくこともあります。いくつかのパターンを作成して比較し、わかりやすいものを選ぶようにしましょう。


情報過多=メッセージがたくさんありすぎるということです。一枚のスライドの情報を分割し、スライドを増やせば、1スライド1メッセージとすることができます。



例えば、こちらのスライドの説明なら、上から、順番に説明していくと「○○動物園は、安くて近いので家族のおでかけにおススメです。場所は、○○駅から徒歩5分で、私たちの学校からは20分です。料金は、大人は600円で、子供は無料です。開園は9時半、閉園は17時ですが、夕方になると動物が寝るために小屋に入り、見られなくなることがあるそうです。早めに行きましょう。」のようになります。


暗記したり、言い回しを考えておくのは、下線の部分だけです。他はスライドを頼りにスピーチするだけになります。言い回しは、回りくどくならないように練習しておくとよいでしょう。ちょっとやってみてうまく話せない場合は、スライドを書きかえます。


話し手に話しやすいスライドの方が、聞き手にも親切にできていることが多いです。リハーサルを繰り返しながら、いろいろ試行錯誤してみてくださいね。


早口と小さい声は厳禁、わかりやすくはっきりと話そう


緊張して早口になってしまう、恥ずかしくて小さな声になってしまうということがよくあります。聞き手にわかりやすいように大きな声でゆっくりと話しましょう


小学生の発表を聞いていると、スピーチに全く”間がない”ということがよくあります。矢継ぎ早に話されると聞いている方の負担が大きくなります。時には一呼吸おいて、聞き手が考える時間をあげましょう。


話し手が、長いと感じる”間”は、意外と長くないということがほとんどです。少しくらい話が詰まったとしてもそれほど慌てる必要はありません。落ち着いてしっかり話せば大丈夫です。


悪い印象を与える癖や仕草に気を付けよう


聞き手に負担になるような癖には気をつけましょう
。よくあるのが「えー」「あのー」などの口癖。貧乏ゆすりや髪を触る癖などです。なかなか直りにくいものですが、ほとんどは不安からくるものが多いので、リハーサルを重ねるとどんどん減ってきます。また、話す前にちょっとだけ意識するのも効果的です。例えば、事前に手のひらに「くせ」とマジックで書いておくと予防になりますので試してみてくださいね。


ゼロにしようとするとかえって緊張してしまうかもしれませんので、完璧を求めず、練習量を増やして、ちょっとだけ意識することを目標に頑張ってください。


プレゼンテーション/本番で緊張しないおすすめ練習方法

本番直前のおススメ練習法についても紹介しています。私が実際に行っていた方法なのですが、やるのとやらないのとで本番の出来栄えが雲泥の差になります。しかも、ちょっとあがり症気味のわたしでも、悪い緊張感が取れて、本番までの日々が平和に過ごせます(笑)。是非試してみてくださいね。



ステップ1:一人リハーサルは、早い段階で始めるのがおススメ


スライドと原稿ができたら、スライドと原稿を片手に声に出して一人で練習を行いましょう。たまに声を出さないで練習する人がいますが、おすすめできません。声を出すと作成時には気が付かなかったポイントに気づくことが多いです。必ず、声は出しましょう。


スライドと原稿を完璧にしてから練習に入るよりも、少々荒削りな段階で早めの一人リハーサルに入った方が効率がいいように思います。というのも、どんなに完璧だと思って作っても、実際にリハーサルをしてみるといろいろと気が付く点があり、結局修正することになるからです。


小学生のうちは、一人リハーサルはなかなか難しいと思いますので、是非大人の方がサポートしてあげてくださいね。


この段階で、原稿は無理に覚えようとしなくても大丈夫です。ある程度スライドを手掛かりに話せるような工夫をしておけば、数回の練習で原稿なしで話せるようになっていきます。うまくいかない場合は、スライドとスピーチが連動してないことが多いです。話しやすいように修正しておきましょう。詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。




ステップ2:身近な人を前にリハーサルをしよう


自分ひとりで練習することも大切ですが、可能な限り、誰かに聞いてもらいましょう。まずは、身近な家族や友達などに聞いてもらうのがよいと思います。人前で話す練習になるのはもちろん、アドバイスや質問をもらうことで足りなかったことや削るべき部分が見えてくることがあります。想定質問を考えるいい機会にもなるでしょう。


また、一度やってみるとわかると思うのですが、一人練習では気が付かなかったポイントを自分自身で気づくということが多いです。


人前練習で見つけた課題は、必ず修正し、スライドと原稿に反映させておきましょう。修正後の反応や意見がもらえるとさらに心強いですね。一度だけではなく繰り返し練習しておくとどんどん磨かれてきます。


ステップ3:本番を想定して、会場、もしくは会場に近い場所で練習しよう


大きな会場でいっぱい人がいた!壇上でのプレゼンだった!など、想定外のことにパニックになることがあります。本番までに、できるだけ本番に近い形でリハーサルしておきましょう。


場所によっては、事前に会場に入れる場合もあります。下見はもちろんですが、可能であれば、実際にステージに立ってみたり、プロジェクターやポインターなどの機材も本番と同じものを使って、リハーサルしておきましょう。会場に入れない場合もありますが、そのまま諦めずに、事前に入手できる情報は集めておきましょう。会場内の写真が公開されているところもあります。


会議場でなくても普段と違う場所でリハーサルしてみるというのもとても効果的です。地域の図書館や支援センターなどでは、会議場を無料か、格安で使用できることがあります。学校に相談して、体育館や大きな教室で練習するのもいいかもしれませんね。


リハーサルのためには、本番で話をしている自分をイメージする必要がありますが、頭の中だけで考えるのは限界があります。また、考えているだけでは、余計に不安になってしまうこともあります。ぼんやりとイメージするのではなく、できるだけ具体化しておいた方が、当日落ち着いてプレゼンすることができます。小学生にそこまでしなくても、というのではなく、プレゼン経験の浅い小学生だからこそなるべく本番に近い形で練習できるよう大人たちがサポートしてあげてくださいね。


ステップ4:「客観的な視点を持つ」ために、練習の様子をスマホで撮影しよう 


プレゼンは「客観的な視点を持つ」ことが大切ですが、小学生はもちろん大人でも、自分を客観視するというのは難しいものです。しかし、自分の話している姿を録画すると誰でも簡単に自分を客観視することができます


初めて私が自分の姿を撮影したのは、教育実習で行った授業でしたが、効果抜群でした。「声が小さいと聞いている嫌になる」「話している方が気にしている”間”は、聞いている方は意外と気にならない」「話し手が聞き手を見ないと聞き手との距離感が遠くなる=話し手の誠意・熱意は伝わらない」などなど、たった一度撮影しただけで、数えきれないほどたくさんの点に気が付くことができました。不慣れな自分の姿を見るのはかなり精神的なダメージが大きかったですが(笑)、この経験が後々のプレゼンにとても役に立ちました。


初心者の小学生の場合、大人から見たら指摘するところが多すぎて、どうしようか迷うものです。アドバイスが多すぎて嫌になってしまっては逆効果ですが、そのまま放置しておくのも心配です。


しかし、自分が撮影させた姿を見れば、様々なことに自分で気が付くことができます。また、親や友達など親しい人から指摘されると「そんなことないもん!!」とついつい反発してしまうものですが、客観視することで、アドバイスを素直に聞けるようになります。


自分の姿というのは、見慣れてないので、恥ずかしかったり違和感があったりするものですが、やるのとやらないのとで本番の出来栄えが雲泥の差になります。一度トライしてみてくださいね。どうしても嫌だというお子さんには、ボイスレコーダーでもよいでしょう。少なくとも言葉の選び方が適切でなかったり、無意識に行っている口癖などを見つける事ができます。


最後に


こちらの記事では、私が実際見たこと、経験したことをもとに、プレゼンを成功させるためのスライドの作り方やスピーチの方法など、技術的な部分を抽出してまとめました。まだまだ足らない部分もあるかと思いますが、少しでもお役に立てれば幸いです。


「聞き手をわかった気にさせて、ご機嫌をとるのが常套手段」というのは、当時の私を指導してくださった方の言葉です。実際にこの言葉を手掛かりに準備したプレゼンでは、狭き門であったにもかかわらず採用されることになりました。聞き手のご機嫌取りというと言葉は悪いですが、確かにわかりにくいプレゼンは面白くないし、聞いているとイライラするというのが本当のところです。また、プレゼンは中身だとはいっても、中身が甲乙つけがたい場合、やってないと結果がわからない場合などが世の中にはたくさんあります。そのため、判定する側の好みや気分、その場の雰囲気などに結果が左右されるということも実際によく目にしてきました。


プレゼンテーションは中身というのが大前提で、スライドやスピーチはそれを伝えるための道具でしかありません。道具に頼りすぎるのは禁物ですが、大切な”中身”だからこそ、スライドやスピーチで損をすることがないように訓練しておくべきだというのも、現実的な考え方として子供たちに知っておいてほしいと思います。


本格的なプレゼンへの挑戦はちょっと敷居が高いと思われた方、今は低学年なのでもう少し先で検討したいという方に向けて、もう少し気軽にプレゼンテーションの練習をする方法や家庭での指導のについて紹介しています。学年別に具体的にどのようなことをすればよいのかについてもまとめていますので、よろしければご覧ください。