小学生・論理力と表現力がアップする書く習慣とは?


一般的に、計算や漢字などの暗記の勉強はすぐに成果が出ますが、「書く」ことは、練習してもなかなか成果を実感することができないものです。 「書く」ことに求められるのは、「論理力」と「表現力」。つまり、経験したこと・考えたこと・伝えたいことなどを整理して、相手が理解できるように筋道を立てて説明できる力が必要となります。一朝一夕に身につくものではなく、結果を焦らずコツコツ練習することが大切です。


我が家の場合、書く力アップの為に始めたわけではないのですが、別の目的で始めた「書く」ことが習慣化し、結果的に書く力のアップにもつながりました。


継続する秘訣は、✔頑張らないこと ✔楽しむこと。


こちらでは、子供が無理なく続けられる楽しい「書く」習慣について紹介しています。




小学生が【夏休みの日記】を続けるコツとは?


小学生が”書く”と聞いてまず思いつくのは日記ではないでしょうか?学習指導要領でも”日記”は実用的な文章を書く言語活動の例として挙げられています。しかし、子供は、日記をいきなり書こうと言われても何を題材にすればよくわからず戸惑ってしまうこと、長続きせず三日坊主ということがよくあります。


我が家の場合、書く練習のためにと思って始めたわけではないのですが、つたない言葉でもいいから思ったことや体験したことを自分の言葉で残しておいてくれたら後で読み返したときに楽しいかな~(←親が)と思い、お母さんが読みたいの!と子供に日記を書くようお願いしてみました。



残念ながら、うちの子の場合、毎日お外に遊びに行くのが忙しくて、普段から日記を書くという習慣はつきませんでした。そこで、比較的時間のある長期休みを狙ってみました。


いつもなら学校から帰って夕方まで遊んで、宿題をして、ご飯とお風呂で一日はおしまいですが、夏休みはうちの子にしては、珍しく「あれ?時間が空いた。どうしよう?」ということがあります。


時間があるとき、何か書きたいことがあったときに無理せず書いてもらったので、大体3日に一回くらいのペースでした。誤字脱字や文法など間違いはありますが、その当時のありのままを残したかったので、親は全く修正をしていません。また、書くのが大変にならないように絵はなしもいいしあってもいいし、すごく短くてもいい、自由に楽しく!ということにしていました。今思うと、この方法がよかったように思います。嫌にならずに、夏休みの間続けてくれました。



読ませてもらったら、本当におもしろい!!雨を逃れてお家に避難してきたカマキリの気持ちを想像していたり、電車で会った黒メガネのお兄さんが怖くてどうやって逃げようかとあれこれ考えていたり。



お父さんとペットボトルで作った魚の仕掛けは図を使って作り方を説明した力作です。


どのページもとても楽しくて、書いてくれて本当にうれしかったです!私がとても喜んだのが伝わったらしく、そのうち、子供の方から書いたよー読んでいいよーと持ってきてくれるようになりました。



「先生が読みたいって言ってくれた!!」ということで、学校にも提出しました。
書いた数だけ一つ一つ丁寧にコメントをいただきました。


私も小学校の時に、日記をたくさん書いて先生に出したら、「たくさん書いてくれるからうれしい」と言っていただけて、うれしくてたくさんたくさん書いたことを思い出しました。読むの大変だったと思いますが、とても優しい先生ですね。先生など大人のサポートは子供のやる気を引き出すきっかけになります。親が読むのはもちろんですが、親が直接コメントするのも子供の書く意欲アップにつながります。おじいちゃん、おばあちゃんにコメントをお願いするもの効果的です!
 


日記のおかげだけではないと思いますが、2年生の後半くらいから少しづつ文章が上手になってきたように思います。しかし、3年生以降は、面倒くさいといって夏休みの日記はつけてもらえなくなりました。無理させるのもよくないので、とても残念でしたが諦めました。


日記は書く力がアップするとてもよい方法でした。時系列で何が起こったかを説明したり、主語と目的語を入れて書くようにしたり、自分の考えや感じたことを書いたりする日記は、論理力と表現力が鍛えられる「書く」習慣の一つでもあります


子供の思い出が残り、しかも書く力がアップするなんてちょっと得した気分になります。「日記」おススメです。続けるコツを箇条書きにまとめましたので、よろしければ、試してみてくださいね。


小学生・日記を続けるコツ ・題材はなんでもOK、短くても長くてOKなど、自由度を高くする。
・時間の余裕があるときに書いてもらう。無理させない。長期休暇の利用もおススメ
・読んで必ずコメントする。お返事タイプ、もしくは褒める言葉でのコメントがおすすめ。
・先生やおじいちゃんおばあちゃんなど、読者を増やす。
・基本的に、細かな修正は行わない。間違っていても訂正しない。

小学生 日記





平凡な毎日がたった1行で特別な日に変わる!小学生におすすめの【1行日記・1行記録】


日記は、論理力と表現力が鍛えられるおススメの「書く」習慣です。でも、毎日の宿題と習い事、おともだちとの付き合い、小学生はなかなか忙しく、書く時間が十分にないというお子さんも多いのではないでしょうか。こちらでは、忙しいお子さんに向けて、日記以外の書く習慣についても紹介しています。



忙しくて日記が書けないという場合は、短くてもいいから書くことから始めてみてはいかがでしょうか?お父さんは1行日記を10年以上続けています。たった一行なので忙しくても無理なく続けられ、後から見返したときに、見返すのがとても楽しい。1行見ただけで、いろんな思い出がよみがえります。1行日記のおかげで、どんどん流れていってしまう日常の毎日が、ちょっとだけ特別な毎日に代わります。


1日の出来事を1文から3文、文字数にすると20~60字くらいでOK。低学年の時は「公園へ行きました」で終わってしまうかもしれませんが、学年が上がってくると、「友達と約束して公園へ行きました。鬼ごっごをして遊びました。とても楽しかったです。」など、いわゆる5W1H、いつ(When)どこで(Where)誰が(Who)何を(What)なぜ(Why)どのように(How)が、短い文で表現できるようになるでしょう。親が5W1Hを意識させてあげるのもいいですね。




毎日同じ事ばかりで書くことなんてない!!と困る場合は、月曜日は“食べたご飯について”、火曜日は“習いごとについて、”水曜日は“学校であったことについて”など、書くメニューを用意しておくというのはいかがでしょうか。そのうち、自分で書きたいことが湧いてきて、メニューに頼らなくてよい日が増えてくると思います。



残念ながら、うちの子の場合、1行日記は3日坊主で終わりました。その代わり、クラブ活動について書く「1行記録」は比較的長続きしました。練習メニューや成果、試合の結果や気が付いたことなどを短くまとめた記録です。



うちの子のように、好きな活動がある場合は、習い事やクラブ活動など好きなものをテーマに“頑張っていること1行記録”をつけるという方法もおススメです。


“顔が水につけられるようになった”、“クロールで〇メートル泳げるようになった”など、日々の成長を記録すると達成感が味わえます。記録帳に書くことがあると気合が入りやすいものです。一人だとなかなか続かないドリブルやリフティングの練習も楽しくなるかもしれません。


「書く」ことが習慣になって、毎日が充実した日に代わる “一行日記” “1行記録”おススメです。“1行”の不思議な力をお子さんと一緒にぜひ味わってください!


ひと言日記



書く力がアップして、練習にメリハリがつく!おススメ【クラブ活動ノート】

一般的に、計算や漢字などの暗記の勉強は、すぐに成果が上がるので達成感を得やすいのですが、「書く」ことは、練習してもなかなか成果を実感することができないものです。成果がわからないものを続けるのはなかなか難しいというお子さんも多いのではないでしょうか?。


そういう場合は、「書く」ために書くのではなく、別の目的で書いてみるとよいと思います。



「クラブ活動ノート」をつけると、日ごろ練習が充実する上に、「書く」訓練にもなります。どのような練習をして、どのような成果があったのか?どのようなところを改善すればいいか?改善のためには、どのような練習をすればよいのか?を考えて書くためには、論理力や表現力が必要となります。また、うまくなりたいという気持ちから、自主的に考え、継続することもできます


うちの子はスポーツクラブに所属しています。2年生の時に、来年度に向けての目標を書いてくるようにコーチから言われ、早速目標を紙に書いてみたのですが、○○がうまくなりたい!とか試合で勝つ!など、全く具体性がなく、「思っただけ」になってしまいそうな目標になってしまいました。思ったことを「行動」に繋げていかなければ目標は達成できません。そこで、今後のために「クラブ活動ノート」を作成することを勧めました。


現時点の振り返り

課題の洗い出し(or理想の姿を描く)

課題の克服のため理想の自分に近づくための練習法を考える


以上の三つを考え、クラブ活動ノートにまとめた上で、目標を立ててもらいました。
うまくなりたいから、子供もとても真剣です。B5のノート見開きに2ページくらい使って、二日かけて完成させました。最終的には、コーチ提出用に要約版までを作成しました。


抽象的だった目標が、「試合で勝つために、○○がうまくなりたい。そのためには、試合の時に、コーチに言われた○○○に気を付けるようにする。また、クラブ活動の練習に加えて、週に×回○○の練習をする。」という具体的なものになりました。


自分の思いを確認→整理→人に伝えるために要約、というよい経験になったと思います。


不定期ですが「クラブ活動ノート」の活用はずっと続いています。振り返りや練習法について考えるだけでなく、調子が悪くなった時の原因を考えたり、逆に調子が良かった時の体の使い方を記録しておいたりしています。大好きなクラブ活動だからこそ、子供を動かす力が大きいのかもしれません。



クラブ活動での練習の質が向上する上に、いつの間にか「書く」力が身に付きます!実用性があって、書く力がアップする「クラブ活動ノート」は一挙両得。クラブ活動でなくても、ピアノ練習ノート、水泳ノート、お習字ノートでも子供が好きなことならなんでもOKです。


部活ノート




書く会話で「書く」力もアップするおススメ【交換日記】


インターネット上のWebやブログ、SNSの内容を他人と共有し、それについてのコメントをもらうという日記をつけている方も多いようですね。一人だと長続きしないけど、誰かと一緒なら楽しく続けられるという方も多いのではないでしょうか?


一人で日記をつけることができなかったうちの子も交換日記なら長く続けることができました。相手は担任の先生です。低学年のときの交換日記の名前は、先生に伝えたいことを書くという「あのねノート」。3年生になると「交換日記」という名前になりました。



2年生の時の日記です。先生からは、毎回優しいお返事がいただけます。先生からいただけるお返事は子供にとって、日記を書こうという意欲につながるようで、何ページにも渡ってたくさん書いていました。


小学校入学当時は、書くことに慣れておらず、つたない文章だったり、わけがわからないことを書いていたり、最後は全部「おもしろかったです」で終わるというワンパターンになっていたりしました。しかし、「書く」練習を続けているうちにワンパターンも減少し、少しずつおもしろい文章を書いてくれるようになりました。後で読み返すと変化がよくわかります。



我が家では、遊びで始めた親子の交換日記があります。書く練習というだけでなく、親子で”書く会話”もできて、後々いい思い出にもなりそうです。


日ごろ忙しくてなかなか子供と話す時間がないという方でも、親子で交換日記なら楽しく続けられるかもしれません。面と向かって伝える内容とノートに向かって書く内容とでは違っているなど、子供の意外な一面を見る事ができるかも。


交換日記


小学生の書く意欲を引き出す1番のご褒美!賞状をめざす【作文応募】


一人だとなかなかできないことでも、たくさんの人に読んでもらって褒められたり、賞状をもらったりする機会があれば、子供も「書く」意欲が湧くのではないでしょうか。



先生がうちの子の日記からおもしろい作文を見つけて、小学生のコンクールに応募してくれたことがありました。今までに、一回入選、一回佳作で、計二回賞状をもらっています。子供も賞状をもらえるととてもうれしそうで、日記を書くのにもちょっと力が入ったようです。


学校からの応募でなくても、小学生の作文コンクールに個人応募できる機会があります。おもしろい作品ができたら、応募してみてください!






表現力と論理力を身に付ける「書く力」アップの方法・まとめ

一般的に、計算や漢字などの暗記の勉強は、一生懸命やればすぐに成果が上がるので達成感が得やすいのですが、本当の「書く力」をつけようと思ったら、たくさん書く練習をしなければなりません。だからといって、単にたくさん書く作業を繰り返しているだけでは、「書く力」がつくとは思えません。大切なのは、意欲をもって考えて書くという機会を増やすことではないでしょうか。


誰に向けて何のために書くのかという目的がないと、書く意欲は持てません。親ができるのは、子供の意欲を引き出すために、聞き役になったり、助け舟を出したり、書く機会を提供したりすることだと思います。


こちらでは、うちの子が楽しく続けられた書く習慣についてまとめてみました。どの方法がぴったり合うのかは子供次第ですが、どれか一つでも続けられたら、書く力アップはもちろん、後々とてもいい思い出になるものばかりです。写真や動画を残すように、子供の”書く”記録を残してみませんか?





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小学校学習指導要領(平成29年告示)
【国語編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説
小学校国語科「書くこと」における論理的思考力の育成―小学校からの小論文指導を通して