小学生が身に付けけるべき国語力について調査&まとめ


小学生が身に付けけるべき国語力とはどんなものなのでしょうか?


小学校では、「話す・聞く」に加えて「読む・書く」の「繰り返し練習」により、国語力の基礎となる知識を確実に身に付けさせること、特に「読み」の学習を先行させることで、言葉の知識(特に「語彙力」)を増やすことに重点を置くべきと考えられています。


こちらでは、学習指導要領などの文部科学省の資料をもとに小学生が目指すべき【国語力】についてまとめています。



小学校では、国語が一番大切な科目


学習指導要領などの文部科学省の資料によると、小学校段階は国語教育の基礎作り期として位置づけられており、

『国語教育に関し、特に重要な役割を担うのは学校教育であるが、その中でも小学校段階における国語教育は極めて重要である。』

とされています。


その言葉の通り、子供たちが小学校に入って、一番最初に、一番たくさんの時間を費やすのは国語。一年生、二年生の時は、毎日国語の時間がありますし、一日に2回国語の授業がある日がほとんどです。そこで、学習指導要領でどれくらい国語に費やすのか調べてみました。




一年生、二年生の時は、総授業数の3分の1以上の時間を国語に費やすことがわかりました。さらに、算数と比較すると国語の授業時間数は算数の約2倍。また、理科と社会はありません。



考えてみたら、理にかなっています。算数の教科書も、簡単な基礎問題以外は、文章でできています。テストだって半分は文章問題です。計算方法を知っていても、なにを問われているのか?どうやって解くのか?が理解できないと問題は解けません。理科は身近な生き物や自然現象といった科学について学習します。社会は、身のまわりの仕事や産業、日本の国土・政治・歴史、世界との関わりなどについて学習します。もちろん、理科や社会の教科書は文章で書かれており、文章が理解できないと、これらの科目を学ぶことはできません。



学年が上がるにつれて、他の教科に時間が割かれ、国語の割合は減少してくるものの、6年生になっても国語に費やされる時間は、一位(算数と同率)となっています




小学生が身に付けるべき国語力の基本要素とは?


小学生が身に付けるべき国語力とはどのようなものでしょうか?以下、学習指導要領の抜粋です。


『言葉による見方・考え方を働かせ、言語活動を通して、国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 ⑴日常生活に必要な国語について,その特質を理解し適切に使うことができるようにする。 ⑵日常生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め、思考力や想像力を養う。 ⑶言葉がもつよさを認識するとともに、言語感覚を養い、国語の大切さを自覚し、国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養う。』



つまり、簡単に要約すると、
1)語彙を適切に使う能力を養う
2)日常生活に役立つコミュニケーション能力を養う
3)言葉に感動する能力を養い、国語(日本語)のすばらしさを理解する


ということが目標となります。


それでは、この目標のために、どのような指導をしているのでしょうか?


学習指導要領の指導の内容は、次のように分類されており、これが国語の基本要素となります。

〔知識及び技能〕
〔思考力,判断力,表現力等〕
A 話すこと・聞くこと
B 書くこと
C 読むこと


〔知識及び技能〕では、言葉の読み書き、主語・述語・修飾語などの使い方、伝統的な言語文化(俳句・短歌・古文・漢文・近代文学)に触れることなど、言葉に対する基本的な知識の習得を目指した指導について記載されています。そして、〔思考力,判断力,表現力等〕を向上させるためには、「話す・聞く」「書く」「読む」という能力を身に付けるように指導されています。


国語と読書のカテゴリーでは、それぞれの能力を伸ばす方法を紹介しています。是非ご覧になってください。




------------------
小学校学習指導要領(平成29年告示)
【国語編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説
これからの時代に求められる国語力について-II これからの時代に求められる国語力を身に付けるための方策について-第1 国語力を身に付けるための国語教育の在り方