小学生・初心者向け/おススメの筆は?習字の道具選び


書道初心者の小学生には、どのような筆を準備したらよいのでしょうか?


”子供にとって使い心地が良いもの”で”お手頃価格”がベストなのですが、一般的な文房具などと違って、書道用具は購入前に気軽にお試しすることができません。そういう時には、実際に使っている人のアドバイスがとても参考になります。我が家では、習字のベテラン、おばあちゃんに助けてもらって書道の準備をしました。


こちらでは、我が家で使っている筆や書道道具を紹介しています。




小学生が使う書道筆とは?何号を買うべき?


多くの小学校では小学校3年生から書道の授業が始まります。そのための書道道具を揃える時に一番悩むのが”筆”ではないでしょうか?小学校の書道の授業でまず必要になる筆は 、半紙用の大筆と小筆の2本です。書初めなど大きな字を書く課題がある場合は、書初め用の筆を使うこともあります。


小学生・準備する筆・まとめ ①書道の基本:半紙用の大筆
②書道の基本:名前用の小筆

③書初め用の筆(課題によっては使わない場合もあります。購入前に先生に確認するとよいでしょう)



小学生用の筆としてはどのような筆が適切なのでしょうか?以下のように、書道用の筆にはサイズや毛質が異なるいろいろな種類のものがあります。

サイズについて
書道で使われる筆のサイズは、一般的に「号」で表示されます。小学校では、半紙用の大筆としてだいたい3~6号くらい、名前用の小筆として8号くらいを使うことが多いようです。ただし、号数を表記しないメーカーもあったり、同じ号数でも、メーカーによって規格が違う場合があります。また、「号」は太さの規格であって、筆の穂の長さは関係ありません。穂の長さは、長さによって、長鋒、中鋒、短鋒に分けられます。


毛質について
毛筆には、毛質による違いもあります。柔毫筆は、ヤギの毛など柔らかい毛で作られたもので、剛毫筆は、馬やタヌキ、イタチの毛で作られるもので、固くて茶色っぽい色をしています。また、柔毫筆と剛毫筆を混ぜた兼毫筆という筆もあります。



あまりにも安価な筆は上手に字が書けないことが多いです。とはいえ、小学生が初めて使う筆はそこまで高品質である必要もありません。初めて筆を購入する時は、いろいろと悩んでしまい、詳しい人に”コレ”というおススメを教えてほしい!!と思ってしまうのが正直なところではないでしょうか?


私の場合は、習字のベテラン、おばあちゃんに助けてもらって筆を準備しました。下記では、我が家で使っているおすすめの筆を紹介します。




 


小学生低学年から~高学年 おすすめの大筆と小筆


我が家では、半紙用の大筆として日本習字の”小学観峰”を準備しました。”小学観峰”は、穂を短めにして腰を強くしているので、太くて元気のある線が出るという大筆で、幼児、小学生半紙課題用として販売されています。


日本習字と言えば、国内最大クラスのシェアという習字教室で、おばあちゃんがずっと続けていることや自分自身が通っていたということもあり、個人的には、日本習字の筆なら信頼できると思っています。


日本習字には”なまえ観峰”という小筆もあります。わたしが小学生のころ通っていた習字教室では、低学年から高学年までの生徒のほとんどが”小学観峰”と”なまえ観峰”をセットを使っていました。もしよかったら検討してみてくださいね。


日本習字 小学観峰&なまえ観峰



小筆は、おばあちゃんがプレゼントしてくれたものを使うことにしました。サイズは、8号。りんどうは、書きやすくて値段もお手頃なのでおすすめだと思います。


広島筆産業株式会社は、広島県安芸郡熊野町にある会社で、書道筆の他、化粧筆、工業用筆などの筆類全般の製造販売を手掛けている創業150年の老舗です。また、広島県熊野町は、全国生産量の80%の筆を生産する日本一の筆の産地。この地域でつくられる筆は総称して「熊野筆」と呼ばれています。毛質や穂のきめ細やかさ、軸の形が群を抜いている熊野筆は、水含みもよく書き心地が抜群と評判です。


広島筆 小筆 りんどう


小学生低学年から高学年まで 書初めにおすすめの筆


画像は小学校3年生の時にうちの子が書いたものです。左が半紙用の筆で、右が書初め用の筆で書いた文字になりますが、画像のように印象が大きく異なる文字となりました。


画仙紙など大きな紙に半紙用の筆で字を書くと弱々しくなってしまいます。やはり、書初めには、書初め用の太筆を使った方が良い字が書けると思います。



我が家の書初め用の太筆は、おばあちゃんがプレゼントしてくれた日本習字の”大字観峰”です。”大字観峰”は、画仙紙のような大きな紙に書いたときに字が堂々とするよう、太くて腰の強い毛を使用しているという特徴があります。


おばあちゃんは会員価格で入手したそうですが、”大字観峰”を一般販売で入手する場合はやや高額になるようです。”大字観峰”の仕様を参考に、同等の筆を探した方が安く購入できるかと思います。


日本習字 大字観峰



筆はメーカーや種類によって規格が違うので、書初め用の筆としては○号を買えば良いと言い切ることができませんが、”条幅筆”、もしくは"書初め筆"などとして販売されていることが多いです。普段使っている筆の1.5倍くらいの太さのものを選んでみてくださいね。


書初め用 人気の太筆はこちら



最後に注意事項ですが、書初めは大きな文字を太筆で書くというイメージがありますが、小学校によっては、書初めであっても半紙用の課題が出される場合があるようです。書初め用の太筆は高額なものも多いので、購入したまま使わないことになるともったいないです。購入する前に必ず学校に確認してくださいね。



こちらは、書初め用(画仙紙用)の小筆で日本習字の”志学筆”です。我が家では、おばあちゃんがプレゼントしてくれました。


半紙用の小筆でも十分代用できると思いますが、その場合は、半紙用に使う場合よりも若干多めにおろして使った方が堂々とした名前が書けると思います。お子さんによっては、おろす分量に応じて半紙用、書初め用と2本の小筆が必要になるかもしれませんが、本格的に書初めに挑戦するようになったら準備してあげてくださいね。


日本習字 志学筆



小学生高学年になったら 好みの筆を使ってみよう


低学年の時に使っていた筆でも問題なく使えますので、高学年になったら買い直さなければならないということはないと思いますが、もし筆を新しくするという機会があったら、低学年の時とはちがう筆を検討してみるというのもいいかもしれません。


高学年になったら、子供にも筆による使い心地の差がわかるようになってきます。また、高学年になるにつれ文字の画数が多くなってきますので、やや細めの筆の方が書きやすいと感じる場合もあります。お子さんの好みや書きやすさに合わせて筆を選んであげてくださいね。



うちの場合は、低学年の時は、日本習字の小学観峰を使っていたのですが、高学年になっておばあちゃんに譲ってもらった筆をちょっと使ってみたら「使いやすい!!!」と大絶賛。軸が細くて持ちやすく、筆もなめらかに動くということで、高学年になってからはこちらの筆を使うことになりました。



譲ってもらったのは”金鼎牌”で、唐筆として人気があるブランドの一つです。こちらの筆は昔からおばあちゃんちにあったものらしく、もしかしたらひいおじいちゃんが購入した筆かもしれません。残念ながら、現在は入手方法がわからないそうなので、この一本を大事に使おうと思っています。


”金鼎牌”の筆自体は現在も販売されていて、特に小筆が書き心地がよいのに値段が手頃ということで人気となっているようです


金鼎牌 書道の筆



こちらは、2代目の小筆。きくや筆本舗の小筆”紫”です。紫色の塗軸が高級感がありますが、実際2千円くらいで、見た目ほど高額ではありません。筆がやや硬めでコシがあります。メーカーさんからは”かな用”として販売されているようですが、我が家では小筆として使っています。小筆はかためがよいというお子さんにおすすめです。


きくや筆本舗さんは、明治18年(1885年)創業の大阪にある老舗書道用具店で、お手頃で書きやすい筆や初心者用の書道セットなども販売されています。







習字を始める小学生に必要な習字道具とは?


うちの子は、小学校3年生になるまで習字をしたことがなかったので、道具を揃えるところから始めました。まず必要なのは、墨汁と硯と筆と半紙…などなどあれこれあります。


買うか買わないかは別にして、市販されている書道セットの中身をチェックしておくとよいと思います。書道セットには、書道バッグだけではなく、文鎮、下敷きなど様々なものがセットになっていますので、「あっこれを買い忘れていた」なんていう失敗がありません。ちなみに私は、筆巻きの存在を忘れていました。



セットの中身は、


大筆・小筆・筆巻き・すずり・墨汁・文鎮・下敷き・ケース(硯や文鎮などを収納する箱)・水差し


以上の道具がいわゆるお習字カバンに入っています。



道具セットの中に固形の墨がついている場合もありますが、小学生で使うことはあまりないと思います。我が家ではお家ではおばあちゃんからもらった墨が待機していましたが、結局小学校の間は使うことがありませんでした。



私の子供のころは硯は硯石が当たり前でしたが、現在は、 硯がプラスチック製ということがあります。プラスチック製は、軽さと手入れのしやすさがメリットです。小学校で使うにはどちらでも大丈夫ですが、 長く使いたい、墨をすって使いたいという場合は硯石を選択しましょう。


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半紙は、基本なんでもよいと思います。うちが使っていたのは、線が入っている半紙です。もちろん折って線をつけてもよいのですが、うちの子みたいな面倒くさがりやさんには、線が入っている半紙が便利でした。ただし、線が入っている半紙は割高だったり、枚数をたくさん購入しないといけなかったりするという残念なところもあります。




半紙を折るのが面倒という場合は、下敷きに線が入っているものを使ってみてはいかがでしょうか。何度でも繰り返して使えますので、線入りの半紙を買うよりもコスパ優秀です。


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筆の使い始め 筆のおろし方について 


新品の筆は糊で固められていることがほとんどです。どこまでおろすべきでしょうか。また、どのようにおろすのでしょうか?筆の使い始め、筆のおろし方について紹介しています。

大筆・太筆の場合

漢字や書初め用の太い筆(大筆・太筆)は毛先から根元までおろすのが一般的とされています。筆全体をおろさないで使うと、太い線がでにくく、弱々しい書き方になったり、字を書いている途中で墨がなくなりかすれた字になってしまいます。


しかし、小学生・初心者の場合は、全部おろした筆をうまく使いこなせないことが多いです。そのため、指導者によって、根元までおろす、おろさないで見解が分かれているようです。まずは、学校や書道教室の先生の指導方法に従うとよいでしょう。


先生からの指導が特にない場合は、まずは半分おろして、様子を見ながら3分の2ぐらいまでをおろし、さらに慣れたら、最終的には、筆全体をおろして使うと良いと思います。お子さんと相談しながら進めてくださいね。


【太筆のおろし方】

穂先をぬるま湯か水に浸します。毛先の方からゆっくりと優しく指の腹を使って揉み解していきます。この時に力を込めて無理やり毛を解そうとしたり、机や床などに押し付けたりすると筆が傷む原因となります。



十分に解れたらしっかりとすすぎ、穂に付着している糊を洗い落とします。水分を拭き取って、風通しの良い日陰で乾燥させます。

小筆の場合


小筆は、穂先だけ使用するため、すべておろすことはありません。穂先をどのくらいおろすかで、文字の太さや書き方が変わりますので、目的に合う長さに調節した量をおろすのが一般的です。


小学生の場合は、穂先から4分の1から3分の1程度をさばいて使うとよいでしょう。穂先のさばいた部分を水につけて糊をおとします。水分を拭き取って、風通しの良い日陰で乾燥させてください。   


小学生におすすめ 大筆と小筆セット




まとめ

こちらでは、小学生の子供の習字の授業が始まったけど、必要な道具が分からないという方のために、書道を始めるために必要な道具を紹介しました。


現在では、筆を使う機会が減り、習字をするためは教室に通わなければならないと思われがちですが、家庭で対応できることもたくさんあります。是非、家庭でも筆の練習をしてみてくださいね。


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